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肉嫌いのとんかつ屋通い。 - 2014.05.15 Thu

その昔,とんかつが大好きだった。
しかし,とんかつ好き人生はほどなくして終わる。

あれはきっと,たまに食べるからおいしいもの,だったのだ。


共同生活をしていた頃,とんかつはしょっちゅう顔を見せた。

その顔を見るたび,
おばちゃんの目を盗んで,隣の席のゆうきちゃんの皿に肉をのせていた。
犯行の手口は,ばれないように数切れずつ。

ゆうきちゃんの皿に肉を置くと,今度はからになった箸で,
山のように盛られたキャベツを少しずつ崩しながら奪うという
物々交換をよくやっていた。

とんかつが嫌いになったのは,その頃だ。



大人になってから通ったとんかつ屋がある。
とんかつ嫌いのくせに,大人の事情でここには何回も通った。
いつも大盛況で,地元の高校生・家族連れ・おひとり様と,
地域に馴染みのある店だった。
気取らない大衆食堂の雰囲気が,とても好きだった。


何年ぶりだろうか。久々に訪ねてみた。

小さなメニュー表の裏に書かれている,
とんかつ好きには邪道な,コロッケとセットになったものを注文する。

縺九▽貅€菴神convert_20140516235049

とんかつオンリーでは勝負しない。・・・いや・・・。


店内を見渡すと,あの頃と全く変わらぬ盛況ぶり。
高校生も,家族連れも,カウンターのおひとり様も,
みんなおいしそうにとんかつをほおばっている。


小さな虫が,テーブルのまわりを,ぶんぶんとずーっと飛んでいた。
ちょっと追い払ったくらいでは逃げない。
それを見て「あーゴメンゴメン。連れてきたんだよね」と,
虫のことを目の前の相手に紹介するのは,お決まりパターン。


虫も人間も,あの店のとんかつが大好きなのだ。
そう。あそこがおいしい!ということは,私も気づいている事実で間違いない。


でも,もうあの店に行くことはない気がした。
それは,
小さい虫がテーブルのまわりを飛んでいたからじゃなくて,

もっと別な。
何か。大人の事情で,である。



大好きだったとんかつが苦手になったのは,むかしむかしのその昔。
少なくとも,
「大人の事情」なんて言い訳することのなかった,
幼い頃。


ナノチカ





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深い森の奥に,
小さなフェルトケーキのお店がありました。
そこでは,工場長のナノチカと
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今日も森の奥では,ぶぶにゃんの
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